町田・相模原|不登校の高校生のための通信制高校「精華学園町田校」校長ブログ

「誰のためか?」を忘れた教育

time 2016/10/30

輪ゴムありますか?

学校行事で大人(教員・PTA・福祉施設)がお店をだして生徒が楽しむという趣向のイベントに参加してきました。

学校行事

毛糸を使ってミサンガをつくるコーナーでのこと

学校行事 ミサンガ作り

生徒が露店で買ったカツサンドの容器が開いてしまって、閉じられなくて困っていました。ミサンガをつくる作業をしたいのに容器が開いてしまって、収拾がつかなくなっていました。

容器

生徒が恐る恐る先生に
「すみません。輪ゴムありますか?」
と聞きました。

最初に対応した先生は少しキョロキョロして
「輪ゴムないわね〜」
と言って、責任者に聞きに行きました。

責任者と思われる先生がやってきて
「ここには輪ゴムはないから!」
と言い切って、満足げに去って行きました。

生徒はしばらく肘で容器をおさえながらミサンガを作っていましたが、手が自由に動かないので諦めてコーナーを去ろうとしました。

去ろうとしたその姿を見て別の先生が
「作れなくてもできているやつが1個100円で売っていますよ!」
小学生にセールスをしていましたが、お小遣いも持っていないのではないかという雰囲気の生徒は逃げるように去って行きました。

そのやりとりに一瞬場の雰囲気が乱れ、冷めたようになりました。

生徒が去った後、3人の先生たちは気まずさからフォローをしあっていました。生徒本意ではなく自分たちのうちわをフォローするために。

教師としての観察力

「輪ゴムありますか?」

なんで生徒はそれを聞いたのだろう?
見れはカツサンドの容器だと誰にでもわかります。でも気がつかないのです。

学校・教室

 

教室を見渡すとセロハンテープもあるし、クリップもある。輪ゴムは確かにない!意図を汲み取れば解決方法は無限にあるはずです。

進路相談でも似たような事例をよく目にします。
生徒が発言した学校名、学部などに目がいってその生徒の本質が聞けていないことがあります。
消去法で選んでいるのではないか?知らないだけでは?友達の影響?漠然とした夢があるから?それによってより良い進路があることが多いですが、そこに気持ちが向かないことが多いのです。

教師としての洞察力

その生徒は遠慮しながら恐る恐る声をかけました。

先生の反応が良ければ、生徒は声をかけることに自信を持ちます。
先生の反応が悪ければ、自分の声のかけ方がよくなかったかなと思います。
これから先、怖くて発言できない傾向が強まるかもしれません。

それ以上に先生が表面的なことしか聞いてくれなかった。理解されなかったという思いを強めるかもしれません。

教育とはミサンガをつくることでしょうか?
ミサンガをつくることを通して人生を教えることではないかと私は思います。
「輪ゴム」の件一つでもコミュニケーション、工夫の仕方、気持ちの汲み取り方、自己肯定感の高め方を教えることを伝えることができます。

ミサンガをあきらめるところまで追い込まれた生徒に気づかない先生。

無神経なセールスをしてしまう視野の狭い先生。
(20名程度のミサンガをつくる生徒の状況把握ができない)

洞察力を磨いてほしいなと感じます。

そして、最悪な内輪受け

私が最悪だなと感じたのは明らかに観察力、洞察力、コミュニケーション力的に先生3人に過失があったのに内輪で傷を舐めあって誤魔化しているところです。あの嫌な雰囲気は3回連続で対応を誤った先生によって起きています。慰めるべきではなく、反省するべき場面です。

反省しないから同じミスを繰り返す。

学校教育・小学校

いじめの対応、学級崩壊、進路指導の失敗、クレームの背後にこの内輪受けの体質があります。

社会人としてはありえないミスコミュニケーションすらそのままになってしまう体質を改善しない限りは教育は良くならないだろうなと感じさせる体験でした。

すべてにその人の心が投影される

この3人の先生にみられる価値観・能力とは何だと思いますか?

  1. 先生同士の人間関係や雰囲気が生徒より大事
  2. 表面的な主張は聞くけれど意図や背景は気にしない・気づかない
  3. 「輪ゴム」→「テープ」程度の工夫もしない
  4. ささいな問題でも上司に指示を仰いで自分で決めない
  5. ルールや権限で相手の心を無神経に切り捨てる
  6. 多様な視点を持つことができず視野が狭い
  7. 先生同士の現場での連携が取れていない

これが教育でも起きているとしたら大問題です。

しかし、残念なことにミサンガ屋さんでできない先生は教室でもできないのです。

  1. 職員室での自分の居場所が生徒よりも優先
  2. データばかりを見て生徒を観察・洞察しない
  3. ささいな工夫で問題を解決する能力、感覚がない
  4. 指示待ちですぐに上司を頼り自分の頭を使わない
  5. 柔軟性に欠け、規則で心を切り捨てる
  6. 狭い視点で生徒を教育指導する
  7. 先生同士の現場での連携が取れない

年寄りの犯した罪の罰を子どもたちが受ける

まずは我が身。我が校。
そして、子どもたちの未来により良い教育をと改めて思いました。

やる気引き出すモチベーション教育

プロフィール

椎名雄一(心理カウンセラー)

椎名雄一(心理カウンセラー)

初めまして。椎名雄一です。 多くの大人が問題を先送りしようとします。今、解決しなければ、子どもはより困難な未来を乗り越えなくてはなりません。 [詳細]