町田・相模原|不登校の高校生のための通信制高校「精華学園町田校」校長ブログ

不登校の本当の理由

time 2016/12/10

目次
  1. 不登校の理由
  2. 統計上の不登校の理由
  3. 言葉にできない不登校の理由
  4. 保護者から見た不登校の理由
  5. 大事なのは理由ではなく出口
  6. 不登校の本当の理由(まとめ)

 1.不登校の理由

不登校の理由のほとんどが言葉で明確に説明できるものではありません。
「いじめ」や「成績不振」などわかりやすい理由があることもありますが、そのほとんどが言葉にするのが難しいものです。「不登校の理由」として語られているのは答えられないのに理由を聞かれるのが嫌だから作り出されたお茶を濁すための理由であることも多いのです。

1)違和感

野球部の生徒が20人ファミレスにいたとします。そこに写真部の生徒が1人来たとします。テーブルが同じわけでもなく、交流をしなくても「何だか違和感を感じる」ということはあります。それは声の大きさかもしれませんし、行動の一つ一つが写真部の生徒にとってはガサツに見えるかもしれません。逆に写真部の生徒20人の中に野球部の生徒1人がいても似たようなことは起きます。言葉にすることは難しいレベルの「違和感」がその場所にいたくない気持ちにさせることはよくあります。

中高一貫校に通う高2ですが、学校の雰囲気が嫌です。授業中に一生懸命に勉強しているのはまだわかりますが、休み時間も誰もおしゃべりをしないで勉強をしています。勉強だけしていても大丈夫な子はいいですが、私はおしゃべりもしないで勉強し続けることはかなりきついです。不登校と呼ばれるようになってからは「大丈夫?」「よく来たね?」と今度は弱い生徒扱い。弱いわけではなくて、あの雰囲気に違和感があるだけなのに。

2)限界なのにもっと

生徒は教師や保護者が思いもしないところで悩んでいます。「そんなこと◯◯すればいいじゃん」と大人が思うようなことでも必死になって悩んだり、大きな障害として感じています。今日着ていく服装。勉強のやり方。鼻の形。先生に話しかけること。雑談の話題。外見的にはわからないほど緊張したり、我慢したり、工夫したり、、、それが限界に近くなっていても周囲の大人は気づいてくれない。その先に不登校があります。何が不登校の理由なのか一つの出来事を上げることはできなくてもそんな「限界なのに」という思いが不登校の引き金になっていることはよくあります。

教室にいるだけで多分すごく緊張しているのだと思います。教室の居心地がとても悪くて、頑張って一時間教室にいたのに、頑張って無理やり笑顔でいたのに、たいしたことないと思われたのか「あと一時間頑張ってみれば?」「明日も来てね!」と言われたました。限界なのに、もっともっと、と求められるのは辛いです。頑張ったね、辛かったねって共感して欲しかったです。

3)友達の輪に入りきれない

10年前の生徒は「今流行っていることは何?」と聞くとクラスで流行っていることを教えてくれました。今の生徒は「わかりません」と答えます。「自分が通っている学校の流行がわからないの?」と尋ねると「僕のグループで流行っていることはわかるけど」と流行が3〜10人程度の小さいグループで起きていることがわかります。芸能でもゲームでもファッションでもその内容が細分化されて、「これを把握しておけば良い」というテーマがありません。だからこそ、友達の輪に入ったり、留まったりするのが難しくなっています。

自分の思った事をグループのメンバーに素直に言ったら、みんなと一人だけ違いました。それをきっかけに少しずつ距離を置かれるようになり、最終的には避けられたり、無視をされるようになりました。そんな事で友達を失い悲しかったです。教室は小さなグループに分かれているので一旦グループにいられなくなると他のグループのことがわからないので入れなかったしまた、自分だけ違うと避けられてしまうかと思うと怖くなりました。

友達の輪に入りきれないといじめられることも

学校に行くとまず自分はゴミ扱いでした。みんなが自分を見下している感じが毎日嫌でした。そしてある人にパシリに使われそうになりそれを断ろうとしたらお金をとられ殴られました。何も出来ない自分に腹が立ちその場で泣いてしまいました。もうこんな思いは自分も他の人にもしてもらいたくないです。自分も弱かったですがそれをとめてくれる強い人間はいないんですよね…

2.統計上の不登校の理由
※()内 文部科学省情報

文部科学省から発表されている情報を紐解いてみると不登校の理由にも様々なものがあることがわかります。

1)学校の問題

友人関係(3,868)

友達との波長が合わなくなると居心地が悪くなってきます。生徒たちは日々成長しています。1週間でも1回の出会いでも大きく成長します。今までやっていたことが子供っぽく見えたり、グループが変わると意見が変わることもあります。そんな友人関係の歯車が少し狂ってくると不登校の兆しが見え始めます。

仲が良いと思っていた友達が他の友達といるときには悪口を言ったり、情報をバラしたりしました。私はあまり怒らないタイプだったのでだんだんと見下されるようになってきました。都合の良い友達、使いっ走り、引き立て役になっていると感じてしまってからは輪に入れなくなってしまいました。不登校になった理由をしいてあげるならそれで居場所がなくなってしまったからだと思います。

話を聞いてもらう機会がないことが遠い引き金になることも

友達だと思っていた人たちに無視されることがとてもつらかった、そんなことを味わうくらいなら家に閉じこもっていたほうがいいと思って不登校になるのだと思います。私の場合は兄弟が多く私は長女だったので、親にほっておかれることが多くて話を聞いてもらう機会がほとんどありませんでした。親に対してもいいたいことを言えずに我慢することを覚えていたので、なかなか学校での悩みをいうことができず、いじめられていることを知らない親にもイラついていたと思います。

学業不振(3,648)

中学生、高校生のある時期から成績が伸びなくなることがあります。特に小学校から勉強してきていたり、中高一貫校に通っているとこれまでの疲れが溜まってきて頑張れなくなることもあります。生徒によっては明らかに顔色が悪く、疲れ果てている子もいます。そこまでして頑張っても成績が上がらないと学校に居場所がないように感じてしまい生徒もいます。

友達が良い大学を目指して頑張っているので自分も一応頑張っています。でも、自分はみんなと違って、どうしても進学したいわけではないし、そこまで全てを犠牲にして頑張ることはしたくありません。親の期待、クラスの雰囲気に逆らっている自分が悪いように感じてしまうととても苦しいです。一応形だけ机に向かいますが、頭の中は真っ白で何も先に進みません。

2)家庭の問題

親子の問題(2,367)

親子関係が不登校の理由になっていることも少なくありません。子どもにとっては親は良くも悪くも強力な支配者です。親の態度が冷たければ子どもは非常に強く寂しさを感じますし、親が甘すぎると非常に強く甘えます。親の生き方が子どもに投影されてしまうのです。

私の両親はいつも喧嘩をしています。お父さんはいつもイライラしています。お母さんはいつもグジグジしています。そして、二人で家の雰囲気を悪くします。だから、私は結婚をしたくないし、子どもも作りたくないし、そんなにイライラするなら働きたくないです。世界中の人たちが何で生きているのかが私にはわかりません。「そんなに不満ばっかりなら死ねばいいのに!」

家庭の問題(1,122)

6人に1人の子どもが貧困の状態で生活していると言われる時代になりました。子どもが貧困なのに親が裕福ということはありません。食事が少なければ親は子にその少ない食料を分け与えます。つまり、親の貧困は子ども以上であることが多いのです。一方で学校では世間を知らない先生が生徒を辱めるかもしれない発表会をしたりします。家庭のことを発表させるのです。ひとりひとりが自分のことだけ、自分の家のことだけ、自分の職場だけを考えることをやめ、本当の意味で思いやりの心を持ち、助け合えなくては救われない子どもたちもいます。しかし、そんな経験を生かして、思いやりの心を大事にして大人になっていく生徒も少なくありません。大人がそれをどうやって支えていくのか?どうやって潰さないようにするのかがとても大事なことだと思います。

3)本人の問題

無気力(10,893)

他の不登校の理由と比べて、圧倒的に多いのが「無気力」です。実際に通信制高校、メンタルケアをしていて現場で感じるのはこの理由と思われる生徒の数の多さです。「なぜ、やる気が出ないのか?」これは大人のうつ病やモチベーションなどとも関連する問題で簡単なことではありません。

子どもが算数がわからないからと質問してきたので問題を見てみると「完全にやり方を間違えているのでこれでは解けないな」と思うような状態でした。子どもはどこがいけないのかわからない様子なので宿題をさかのぼってみると3ヶ月前からその解き方で◯になっていました。つまり、子どもが間違えているのに3ヶ月に渡って◯になっているのです。おかしいなと思い、授業の様子を聞いてみると「生徒同士で丸付けをするから先生は見ないよ」といいます。その希薄な授業を12年、16年と受けていると思ったらぞっとします。気力が出ないのは当たり前のように思いました。

情緒不安定(7,199)

情緒を安定させる。言葉で言うのは簡単ですが、不安や恐怖や孤独感が次々と襲ってくるような状況で安定した精神状態でいることはとても難しいことです。また、情緒を安定させるには安心できる場所が必要です。安心できる人間関係が必要です。そして、安心できる未来のイメージが必要です。

 

3.言葉にできない不登校の理由

不登校の理由の大半を占めている無気力と情緒不安定は言葉にするのが簡単ではありません。

「なぜ、気力が出ないのか?」
「なぜ、気力が出なくなってしまったのか?」
「情緒不安定はどれくらい続くのか?」
「情緒不安定になる理由はなんだ?」

もし、答えたとしてもそれは本当の理由ではなく、説明しやすい出来事だったり、理解してもらうための方便だったりします。それだけに「不登校の理由は?」「不登校の原因は?」と聞かれると子どもたちはそれだけで嫌な気分になってしまいます。

1)不登校の理由とダイエット

ダイエットを成功させる秘訣はなんだと思いますか?

ダイエットを成功させる秘訣はたった2つ「適度な運動」「適度な食事」です。そんな簡単な理屈なのになぜできないのでしょうか?うまくいかない理由は何ですか?そう聞かれたらどう思うでしょうか?

説明できない理由

ダイエットに失敗した理由は何となく食べ過ぎてしまったり、運動をサボってしまったからです。明確な何かの理由があるというよりは小さな理由の積み重ねで結果が出なかったのです。ダイエット失敗の理由を明確に説明するのが難しいように不登校の理由もあいまいな感覚だったり、小さい理由の積み重ねで説明するのは難しいものです。

言われたくない正論

不登校の理由を聞かれるときにセットで正論を言われることがよくあります。「単位が足りない」「出席日数が足りない」「他の子は学校に行っている」などです。これはダイエット失敗に置き換えると「ねえ、知ってた?適度に運動して、適度に食べればダイエットできるんだよ!」と言われているようなものです。「それはわかっているんだよ!!」と嫌な気分にならないでしょうか?不登校の理由を聞いたり、正論を言うことはダイエット失敗してしまった人の傷をえぐるようなことと同じなのです。

理解して認めて欲しい

「そんなことはわかっている」と思うような正論を言われる前に頑張ってきたことを知って欲しいし、疲れ果ててしまったことを理解して欲しい。ダイエット失敗で一番落ち込んでいるのは本人なのですから、今までの労をねぎらって、共感して、理解することが大事なように、不登校の理由を聞くのではなく、今まで頑張ってきたことを察し、ねぎらい、理解し、可能なら共有して、再び前に進むための準備をすることはとても重要です。

4.保護者から見た不登校の理由

1)親からはわからない葛藤

親から見て、本当の理由は何だったんだろう?と今でも疑問です。好きだったサッカーを引退して、学校に行く理由がわからないと言ってた事もありました。親から見ると単なる甘えとしか思えない事も、本人としたらそれはそれで、かなりの葛藤があったんだと思います。壁も破りました。私も突き飛ばされました。兄に向かってグラスを投げつけ、家から飛び出した事もありました。あれから3年、今本人に聞いてもなぜそんな気持ちになったのかわからないと言います。明らかな理由がない限り、本当の理由って誰にもわからないのではないでしょうか?

2)ひとりぼっち

私の娘の場合は、ただのワガママから始まって引っ込みがつかなくなった。本人は強いと思っていたけど皆が離れていくに従って不安になりドンドン自信が無くなっていった。それに伴い他人の目が凄く気になりだし今までのように言いたいことが話せなくなり言葉を無くしてしまったようです。娘の求めている事は、親には否定、怒られる言葉ではなく同調の言葉だったと思います。もちろん友達にも同調して貰いたかったが残念ながら一度離れた友達は娘が思うようにはならなかったですが。
不登校の理由は「ひとりぼっち」に尽きると思います。

5.大事なのは理由ではなく出口

1)原因追求型の古いアプローチ

企業で不祥事が起きた時、システムのトラブルが起きた時などに「原因を追求して改善する」というアプローチが取られてきました。これは「モノ」とか「仕組み」に対して有効なアプローチです。いじめをうけて傷ついた生徒に必要なのは「原因」ではなく「出口」です。成績不振なことも必要なのは「原因」ではなく「出口」です。人に対して、原因追求をすることで起きる問題が3つあります。

問題 1 傷を大きくしてしまう

不登校の原因を聞くこと。不登校の原因を考えてもらうことは嫌なことを思い出すことになります。自分を攻撃した人の顔が浮かんだり、孤立してしまった瞬間の場面を思い出すこともあります。多くの人は問題を解決しようと思って一生懸命につらかったことを思い出して話しますが、それが解決につながることはありません。

私はいじめにあっていることを先生に伝えました。伝えることでいじめがさらにひどくなったり、教室に居場所がなくなってしまうかもしれないとか色々考えたけれども相談しました。その翌日の朝、先生はクラスの全員の前で「◯◯さんをいじめないように!」と言いました。私は先生にいじめのことをつ耐えたことがばれてしまい、問題は何も改善しないのに余計に追い詰められました。その日からいじめがさらにひどくなり、結局学校に行けませんでした。上手に対応できない先生に頼った私がバカでした。

 

簡単に「甘えだ」という大人の浅はかさを感じます。6人に1人は貧困家庭です。お父さんもお母さんも食事をろくに食べていません。私も気を使って食事を食べていません。「甘えだ」という安易な大人は何を知っているのでしょう?聴覚過敏の人にとっては教室のザワザワはコンサート会場のザワザワくらいに聞こえます。「甘えだ」という大人は何を知っているのでしょう?大人だってうつ病になる。視野が狭く、何が起きているか確認しないで「甘えだ」と偏見の言葉を放つ大人がいる限りは不登校は無くならないと思います。

問題 2 責められているような気分になる

生徒は不登校の原因を聞かれるたびに自分を責めたり、自分を否定したくなる気分になります。原因はよくわからないことだったり、自分がうまくコミュニケーションできないことだったり、成績が思ったように伸びないことだとしたら、それを言葉にできるでしょうか?自分が悪いと言われてしまいそうで、助けて欲しいという気持ちが甘えだと言われそうで、原因と思われることを言葉にすることはできません。責められるのが怖いということもありますが、「理解者がまた一名減るんだ」と思いたくない。という生徒もいます。

「外在化」(問題の原因を外に持ってくる心理療法)の技術を使って、責められているというニュアンスを出さずに原因について会話をする方法もあります。学校運営の都合上、どうしても原因を聞きたい時には生徒を責めているようなニュアンスを100%排除して、傷つけないように状況を聞き出します。

問題 3 改善する方法は示されない

原因追求型の最大の問題は過去に執着させるだけで出口がないことです。過去に執着するということは成長しないということです。同じレベルのままでケアを続けても周囲から遅れていく一方なのに成長を促したり、新しい展開を積極的に求めないのは手詰まりを待っているようなものです。それが原因追求型のアプローチの最大の欠点です。

幼少期にお父さんが暴力を振るったから私がこうなったとカウンセラーの先生は言いました。ひどいお父さんだね。大変だったね。とかわいそうな人を見る目で私を見ました。今はインターネットがあります。「受容と共感」というテクニックを私に使ったからそうなっているのだということは私でもわかります。受容と共感は私の過去を暴き、切り裂きます。手術で言ったらメスを入れてお腹を開いた状態です。そこまで開いたなら次は何ですか?どうやって処置するんですか?どうやって傷を閉じるんですか?そういうことがわからないのにお腹を切り裂くのはやめてください。

 

2)原因がわからなくても解決できる

実は不登校に関しては原因と解決はあまり関連性がありません。原因がわかってもわからなくても解決することはできます。それに必要なのは創造性(クリエイティビティ)です。現在存在する進路だけでなく、未来を見据えて、新しいビジネス・新しい生き方の中にその子の未来が隠れている場合もあります。不登校の原因を探すことは傷をえぐる効果があるだけで大した解決になっていないことに気付いた人は未来に目を向けています。高い創造性をもった人と関わり、道を切り開くことができます。

保育の新しいスタイル

子どもが好きなんで保育士になりたいんですけれど、やっぱりやめました。将来を決めかねている生徒が怖がっているのは「モンスターペアレント」「パワハラ」「ブラック企業」のようなおどろおどろしい大人の話です。保育士として働くには子どもに関することだけでなく、パワハラに耐えて、モンスターペアレントの対応ができないとダメだと信じている生徒がいました。ギスギスした雰囲気がどうしても苦手だからです。

大手のホテルチェーンを経営している方がアドバイスをくれました。ホテル業界はファミリー向けに託児のサービスをすることで差別化を図っているから保育園、幼稚園以外にも働く場があるよ。

子育て世代を対象にセミナーやイベントをしている会社の経営者は講義をお母さんが受けている間に隣の部屋で簡易託児ができたらビジネスの枠が広がるし、お母さんが助かるな。

そんなリアリティがあるアドバイスをしてくれる人がたくさんいると未来が見えてきます。もちろん机上の空論ではなく、保育士の資格を取ったら雇用できるという流れでその経営者たちは話をしています。ビジネスプランを共有しながら、将来を見て勉強しようという枠組みにはまった生徒が無気力になるでしょうか?その話に乗って、一歩、二歩、三歩と前に進んだときに、ギスギスした雰囲気に対する苦手意識も減ってきます。弱い自分がケアを受けるより、強い自分になってしまうほうが早いのです。

人工知能の未来を垣間見る

受験の見通しが立たなくなり、学校に来なくなった生徒がいました。成績が伸びないし、そもそもどの学部に行ったら良いかが曖昧だとその生徒は言っていました。高三の秋だったのでこれから転校していては間に合わないので今いる学校に通ってもらいながら対応をしました。人工知能を開発している上場企業の役員と彼をあわせました。人工知能を支えている学問やペッパーなどの話、各業界の専門技術を教え込んだ人工知能同士を会話させる話、経営の話、業界の話、、、最前線の話を聞いて彼は未来が見えてきました。後日、彼は「その会社に就職したいからどんな勉強をすれば良いのか?」と質問してきました。名刺交換をしているのでその役員とやりとりをするように促しました。彼は必死にビジネスメールの本を読んだりして、その役員にメールを書きました。役員に指導してもらいながら彼は大学を決め、入試の準備を進め、見事に合格しました。役員にメールをした頃から彼の顔は学校に行けない生徒でも、学校に行けている生徒でもなく、社会人のそれに近くなっていました。教育とは一人前の人間を育てることだと思っています。頭でっかちの指示待ち人間を育ててもそれは教育と言えないのではないかと現場をやっていると思います。

生きた言葉が問題を解決する

中学校の途中で学校に通うことをやめて、社会に出た人たちがいます。
彼らが共通していうのは「自分で考えて、自分で決める」

実際に社会にひかれたレールに乗らずに生きるのは大変なことです。100回失敗して1歩進むような人生を送っています。学校にいれば簡単に与えてもらえることを遠回りして遠回りして彼らは手に入れています。しかし、大きく違うことがあります。「自分で考えて、責任を取っている」ということです。だから彼らは不満を言いません。指示を待って止まりません。生きるということを大人以上によくわかっています。そんな大人と会うことで子どもたちは学校の意味を考え直します。「だったら、通わないほうがいいや」と安易な考えになるかと思いきや、多くの場合は学校のありがたみを理解し学習態度が変わります。

 

6.不登校の本当の理由

1)大人の姿は自分の未来

不登校の生徒が元気になって、不登校の原因を語る場を作るとよく話題になることがあります。それは「大人が疲れているのに未来に希望があるとかうそばっかり」「国民ひとりあたり800万円の借金を作ったのは大人。でも、僕が社会に出たらそれを負担する。そんなバカなゲーム誰がするの?」「両親が喧嘩ばかりだから結婚しないし、両親が辛そうだから働きたくない」彼らは両親、先生、電車などで見かける大人の姿に未来を見ています。

大人たちは「人のいじめ方」「ふてくされ方」「疲れ方」を私に教えてくれます。不登校の本当の原因は私はそれだと思います。

逆に輝いている大人、自立している大人をあわせると子どもたちも変わります。依存せず、言い訳をせず自分の人生を生きる子どもを育てるために大人のあり方を考えられたら良いなと思います。

2)知らない間に学ぶ価値観

1回嫌な思いをすると落ち込む。100回嫌な思いをしても落ち込まない。

子どもはこの価値観をどこで覚えるのでしょうか?
親、先生など身近な人です。

 

お金の稼ぎ方、生活習慣、感情表現、言葉遣いなどを教えているのは身近な大人です。価値観は一緒に生活をしている人から知らない間に学びます。だからこそ、大人が変わると生徒が変わります。

父がカウンセラーの先生を連れてきました。そして、仕事に行ってしまいました。「学校から逃げるな」と言いながら僕から逃げていく父。代打を立てて、僕と向き合わない。僕は逃げ方を父から教わった。学校にも代打が行ってくれれば良い。

 

やる気引き出すモチベーション教育

プロフィール

椎名雄一(心理カウンセラー)

椎名雄一(心理カウンセラー)

初めまして。椎名雄一です。 多くの大人が問題を先送りしようとします。今、解決しなければ、子どもはより困難な未来を乗り越えなくてはなりません。 [詳細]