町田・相模原|通信制高校 精華学園町田校 校舎長ブログ

起立性調節障害、うつ病、ひきこもり、発達障害に必要なのは「正しい理解」

自信のなさと理論武装

time 2017/12/11

不登校ということは「やるべきことができていない」とみられているということは当事者が一番よく知っています。だからこそ当然自信を持つことはできません。本当は誰かに助けてほしいけれど、理解してくれる人はいないと信じてしまうと相談できなくなります。理論武装することで自分自身を守ろうとします。

1.理論武装

子供たちはさまざまな学説や文献、思想を引用しては理論武装をどんどん強化していきます。

1)ディベート

理論武装ができるとその「正論」つまり、自分がおかしくないという理論を親にぶつけようとします。特に身近にいて、ロジカルではない母親が狙われがちです。母親からしたら「何を言っているのかよくわからない」というような話をされます。細かい政治の話をして、だから現代の教育が間違っていると結論づける子どももいますし、生物学的に今のような人間のあり方は間違っているとか、量子力学を引用する子もいます。その様子はまさにディベートのために理論武装しているかのようです。

2)中二病的世界観

アニメなどの妄想の世界にはまってしまうことを中二病と呼びますが、そんな中二病的な世界観にはまって理論武装する子どももいます。「恐怖の大魔王が降ってくるので今から勉強しても無駄だ」と1990年代の子どもの一部が言っていたのに似ています。

3)バスケとサッカー

子どもから見るとこの理論武装は完璧です。例えて言うなら世界がサッカーをしている時にバスケのルールで生きているようなものです。バスケのルールの中であれば、ボールは蹴らないし、選手は5人ずつ出場できる完全な世界です。同様にサッカーの理屈も完璧です。そんなグランドルールが違う中で独自の世界観を作っているのが不登校・ひきこもりの理論武装の世界です。

 

2.接し方の注意

理論武装をしている子どもにしてはいけないことがあります。理論武装を否定するような接し方をしないということです。

1)わけがわからないと言わない

理論武装は不登校・ひきこもりを正当化するところから考えだされます。つまり、「わけがわからない」ことが多いのです。ただ、それを指摘してしまうと子どもは必死に身を守ろうとするあまり興奮して、攻撃的になったり、逆に落ち込んでしまいます。わけがわからないと言わずにわかろうとしてください。

2)通用しないと言わない

特に父親は子どもの話が社会に通じないと感じることも多いと思います。もちろん、そのまま社会に通用するわけはないのですが、一旦その理論武装した理屈を受け入れてあげないと枯渇してしまったエネルギーが補充されないのです。スイッチを入れるためにも一旦はその理屈を受け入れてください。「なるほど、それも一理あるな」とか「そういう考え方もできるんだな」と理解を示せると大きく前進します。

3)矛盾を指摘しない

理論武装した話を聞いていると前半と後半では矛盾していると気づく時もあります。ただ、このやり取りは正確な理論を求めているのではなく、子どもの自尊心を守ることが目的といえますから、矛盾があっても指摘せずに「うんうんなるほど」と聞いてあげてください。

4)そんなことよりと軽視しない

親にとってはくだらないところ、どうでも良いところで子どもが悩んでいるように見えるかもしれません。「そんなことより」と話をそらしたい気持ちになってもぐっと抑えて、お子さんの思いをできるだけ丁寧に聞いてください。そして、「よく考えてきたんだね」と受け止めてあげてください。

5)関係ない話にヒントが

それは不登校・ひきこもりに関係ないなと感じる話題でも一生懸命に聞いていると解決の糸口がつかめることがあります。正面から向き合って話をすることで関係のなさそうな話の中に不登校の原因になる考え方が混ざっていたり、出口につながるような縁が隠れていることもあります。

 

プロフィール

椎名雄一(心理カウンセラー)

椎名雄一(心理カウンセラー)

初めまして。椎名雄一です。 多くの大人が問題を先送りしようとします。今、解決しなければ、子どもはより困難な未来を乗り越えなくてはなりません。 [詳細]