町田・相模原|通信制高校 精華学園町田校 校舎長ブログ

起立性調節障害、うつ病、ひきこもり、発達障害に必要なのは「正しい理解」

なぜ、起立性調節障害は理解されにくいのか?

time 2018/07/09

起立性調節障害が理解されにくいのには理由があります。それはかつて起立性調節障害の定義があいまいだった時期があることと「怠け」「うつ病」「不登校」など区別しにくいものがあるからだと言えます。

 

1.起立性調節障害は単なる怠けではないのか?

多くの病気は血液検査などをすれば「違い」がはっきりとします。しかし、起立性調節障害はそれが長い間はっきりしませんでした。「血圧」「脈拍」のように測定可能な数値によって、起立性調節障害とそれ以外を区別することができなかったのです。

 

1)怠けと区別がつきにくい起立性調節障害

起立性調節障害を診断するには「本人の感覚」を根拠にするしかなく、それが「怠け」と区別がつかない一つの理由になっています。

また、一般的に「怠け」と呼ばれる「宵っ張りの朝寝坊」「不登校」という行動パターンになってしまうため、

  • 深夜までゲームをしているからだ
  • 生活のリズムが狂っているのだから当然
  • 怠けているから生活のリズムが乱れた
  • 早く寝ればもっと早く起きられるのに!
  • 無理してでももっと朝早く起きれば疲れて寝られるのに

と勘違いされてしまいます。

そう思われているわけですから寝られずに困って携帯をいじり始めても「携帯をいじっているから寝られないんだ!」となってしまいます。これが起立性調節障害の難しいところです。

2)起立性調節障害と怠けはどこが違うのか?

起立性調節障害の子供の血圧を起立試験(立ち上がった直後の血圧の変化を調べる方法)でチェックすると午前中は最高血圧86→58のように急激に下がり、脈拍も60以上一気に上昇したのに対して、午後は最高血圧96→88と差が著しく少なくなり、脈拍も22増えるにとどまりました。

つまり、午前中は立ち上がるだけで非常に強い脈拍や血圧の変化があるのに対して午後はそれがないのです。これが起立性調節障害の特徴と言えます。

一方で起立性調節障害のない、いわゆる「ただの宵っ張りの朝寝坊」の子供は午前午後でこのような差が出ないのです。この検査をするだけで起立性調節障害なのかそうではない「怠け」なのかの違いがチェックできるのです。

 

2.成績が下がったのは努力不足なのか?

起立性調節障害になると姿勢を変えることで脳の血流が低下しやすい傾向があります。勉強中は脳で非常に多くの酸素を使います。普段以上に脳に酸素を送る必要があるのですが、起立性調節障害がそれを邪魔します。

血流が悪いので当然思考力や集中力が低下してしまい勉強が思うようにできなくなります。30分集中するのでも難しいはずです。

一般に起立性調節障害という概念を想定していないと「努力が足りないから成績が悪くなった」と解釈されてしまう状態も起立性調節障害が原因であることがあるのです。それが遠い原因となって「不登校」となることも少なくありません。

 

3.ストレスで症状が一気に悪化する

ストレスがかかると自律神経のバランスが悪くなるのは誰にでもあることですが、起立性調節障害があるお子さんの場合、それが顕著に現れます。

1)感情は言葉にするのが難しい

子供に限らず、感情を正確に言語化するのは難しいものです。手に入れたと思って喜んだけれども「そうではないかもしれない」といわれて判断を待っている状態の気持ちを何と表現したらよいでしょうか?

私たちの感情、心はとても曖昧で当てはまる言葉がないものです。中学生、高校生がそれを表現するのは本当に難しいものなのです。中高生が悩みを抱えてもその当時は言葉で説明できず、5年後、10年後にようやくわかりやすい言葉で説明できるというようなことはよくあります。「差別された」「恥をかいた」「いじめられた」という体験をした時の気持ちを言葉で表すのは難しいと思っていると無理に言語化させようとしなくなります。

2)親に報告できない

「学校で恥をかいたことがある生徒」はある統計で52%ですが、親がそれを把握している割合は18%だそうです。2/3の生徒は親にそのことを言わないのです。それはプライドがあるからである場合や心配をかけたくないなどいろいろな理由がありますが、そういう意味でも子供は自分が体験しているおかしな状況を言葉にしないのです。

4.いまだにある教員の批判や誤解

学校の先生は「不登校」についての教育は十分に受けていますが、起立性調節障害についてはあまり学んでいない人も少なくありません。つまり、問題が起きると「不登校」=「心の問題」「家庭の問題」を疑うのです。身体の病気を疑うことをしないので「怠ける心」が問題とされてしまうのです。

いまだにそんな教員の起立性調節障害に対する批判的な考えは根強くあります。

  • チョット嫌なことがあったんだろう
  • 医学的な根拠のないのが起立性調節障害
  • 一時的なものだからすぐによくなる
  • はっきりした身体の異常がないのだから病気じゃない

起立性調節障害はかなりの割合で該当者がいるわけですから教員はそれを学んで「心理的ではなく身体的な問題では?」という観点でもチェックすることができる必要があります。

 

5.1960年の起立性調節障害の診断基準

昔の起立性調節障害

大症状

A.立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい

B.立っていると気持ちが悪くなる、ひどくなると倒れる

C.入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなう

D.少し動くと動悸あるいは息切れがする

E.朝なかなか起きられず午前中調子が悪い

小症状

a.顔色が青白い

b.食欲不振

c.臍疝痛(さいせんつう):お腹の痛み

d.倦怠あるいは疲れやすい

e.頭痛

f.乗り物に酔いやすい

g.起立試験時の数値

起き上がった時の血圧が21mmHg以上低下する
脈圧の差が16mmHg以上縮まる

脈拍が21以上増える

心電図第二誘導T波が0.2mV以上低下

のようなものでした。客観的な数値で測定できるのはg.にあげた4つの項目ですが、これでは起立性調節障害の子供とそうでない子供を区別することができませんでした。

そこでやむなく「朝が弱い」「立ちくらみ」「頭痛がある」という自覚症状の訴えだけで起立性調節障害と診断できるようになってしまいました。

そうなるとただの「宵っ張りの朝寝坊」も当てはまってしまうので簡単に起立性調節障害と誤診されてしまいます。これが「起立性調節障害は病気ではない」と思われてしまっている理由です。

 

6.新起立試験法

起立性調節障害を他の似た症状と区別できるようにするために「新起立試験法」が開発されました。今までは「努力不足」「怠けている」「もっと頑張れ」「不登校だ」と言われてしまっていた生徒が「起立性調節障害」と正確に診断されることで救われるようになってきました。

 

7.町田市で起立性調節障害を見てくれる病院

東京都町田市にある起立性調節障害に対応してくれる病院をご紹介します。

  • 医療法人社団碧水会トキワクリニック(東京都町田市常盤町3439-2)
  • 三沢こどもクリニック(東京都町田市 木曽西)
  • 医療法人社団木山会 南町田クリニック(東京都町田市鶴間)
  • 風の子こどもクリニック(東京都町田市金森東)
  • かみい医院(東京都町田市鶴川)
  • ほづみ耳鼻いんこう科・小児科医院(東京都町田市南大谷)
  • みるるクリニック原町田(東京都町田市原町田)
  • 医療法人社団希志会発達心療クリニック(東京都町田市原町田)
  • 小児科高橋医院(東京都町田市成瀬)
  • 小出クリニック(東京都町田市木曽東)
  • 雅クリニック(東京都町田市原町田)
  • 石場こどもクリニック(東京都町田市旭町)
  • 成瀬メンタルクリニック(東京都町田市南成瀬)
  • 社会医療法人社団 正志会南町田病院(東京都町田市鶴間)
  • 医療法人社団菜の花会 町田産婦人科菜の花クリニック(東京都町田市南成瀬)
  • 豊川小児科内科医院(東京都町田市つくし野)
  • 医療法人社団宏恵会 牧内科医院(東京都町田市山崎町)
  • 医療法人社団 はやしクリニック(東京都町田市忠生)
  • 医療法人社団宏建会 小林クリニック(東京都町田市能ヶ谷)
  • 医療法人社団 石井メンタルクリニック(東京都町田市能ヶ谷)
  • 医療法人社団 康心会 ふれあい町田ホスピタル(東京都町田市小山ヶ丘)
  • 医療法人社団絢雄会 佐藤寿一クリニック(東京都町田市原町田)
  • 町田こころのクリニック(東京都町田市中町)
  • 医療法人社団正心会 よしの病院(東京都町田市図師町)
  • 医療法人社団じゅうめい会 木曽診療所(東京都町田市木曽東)
  • 医療法人社団まごころ会町田まごころクリニック(東京都町田市森野)
  • 医療法人財団明理会 鶴川サナトリウム病院(東京都町田市真光寺町)
  • つるかわ心療クリニック(東京都町田市能ヶ谷)
  • 薬師台おはなぽっぽクリニック(東京都町田市薬師台)
  • 森内小児科・内科(東京都町田市南成瀬)
  • 医療法人社団東八雲会かどわきクリニック(東京都町田市つくし野)
  • 和クリニック(東京都町田市大蔵町)
  • 医療法人社団小林メディカル こばやし医院(東京都町田市金森)
  • 医療法人社団さくらメディカルクリニック(東京都町田市常盤町)
  • すこやかクリニック(東京都町田市森野)
  • 町田市民病院(東京都町田市旭町)
  • やすだこどもクリニック(東京都町田市本町田)
  • 医療法人社団 はやしクリニック分院(東京都町田市本町田)
  • くまくまこどもクリニック(東京都町田市小山ヶ丘)

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プロフィール

椎名雄一(心理カウンセラー)

椎名雄一(心理カウンセラー)

初めまして。椎名雄一です。 多くの大人が問題を先送りしようとします。今、解決しなければ、子どもはより困難な未来を乗り越えなくてはなりません。 [詳細]